Last Update : 2011/02/xx
Windowsパソコンをウイルスやスパイウェアなどの脅威から護ってくれるウイルス対策ソフト(セキュリティソフト、アンチウイルスソフト、×ウイルスソフト)。今や新種のマルウェアが「秒」レベルで出現(読売新聞)する中、それに対応するため一般的なウイルス対策ソフトは、ウイルス定義データを更新するためのお金(数千円/年)が必要になります。
そんな中、いっさいがっさい無料(¥0)で利用できるフリーソフトなウイルス対策ソフトも実はあります。定番中の定番となってる世界3大無料ウイルス対策ソフト、いわゆる"Big
Free Three"と呼ばれるフリーの御三家をご紹介〜。
ついでに、「Windows Live OneCare」の流れを汲むマイクロソフトによる無料の「Security
Essentials」も参考情報としてのせときます。こうなると、無料四天王ですな。(^^)o
日本語版あり! 無料(フリー)で使えるウイルス対策・セキュリティソフト (abc順) | |||||
----- | avast! Free Antivirus |
AVG Anti-Virus Free Edition |
Avira AntiVir Personal |
MSE |
|
AVAST Software | AVG Technologies | Avira | Microsoft | ||
ウイルス検出・駆除 | O | O | O | O | |
スパイウェア検出・駆除 | O | O | O | O | |
常駐監視保護 | O | O | O | O | |
スケジュールスキャン | O | O | O | O | |
ヒューリスティック検出 | O | O | O | O | |
ビヘイビア検出 ? | O | O New! | - | O | |
ルートキットスキャン | O | - | O | O | |
Eメールスキャン | O | O | - | - | |
ネット接続スキャン ? | O | - | - | O (Vista/7) | |
ゲームモード ? | O | O | - | - | |
危険サイトブロック | O New! | O | - | - | |
迷惑メール対策 | - | - | - | - | |
ファイアウォール | - | - | - | - | |
バックアップ | - | - | - | - | |
表記言語 (日本語) | O | O | O | O | |
有償版との機能比較 | Go! | Go! | Go! | - | |
要求スペック (最少目安) |
2000/XP | Pentium クラス 64MB RAM |
Pentium 1.5GHz 512MB RAM |
Pentium 266MHz 256MB RAM |
Pentium 500MHz 256MB RAM |
Vista/7 | Pentium 3 256MB RAM |
Pentium クラス 1GB RAM |
Pentium 1GHz 1GB RAM |
これら3つの無料のウイルス対策ソフトには、下のような条件がいくつかあるのでご注意を。
◆ 対応環境 (OS)
公式サイトでも配布はすでに行われてませんが「Windows 98」「Windows Me」「Windows
2000」に対応してるのが旧バージョンです。すでにマイクロソフトのサポートそのものがなくなったOSなので自然な流れでしょう。64ビット(x64)環境は上で挙げた4つすべて対応してます。
----- | Windows 98/Me | Windows 2000 | Windows XP | Windows Vista/7 | ||
32ビット | 64ビット | 32ビット | 64ビット | |||
avast! | [旧バージョン] | O | O | O | O | O |
AVG | - | [旧バージョン] | O | O | O | O |
Avira AntiVir | - | [旧バージョン] | O | O | O | O |
MSE | - | - | O | - | O | O |
ちなみに、Windowsと比べれば脅威は少ないLinux(リナックス)向けの無料バージョンは、MSEを除く3つの対策ソフトすべてに用意されてます。あと、これら3大フリーソフトと関係なくなりますが、Mac(マック)向けの無料ウイルス対策はも存在します。 (→ Linux対応ウイルス対策ソフト、Mac対応ウイルス対策ソフト)
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米国CNETが運営してる世界最大級のオンラインソフトウェア情報サイト「Download.com」のダウンロードランキング(週間ランキング)をチェックしてみると、全Windows用ソフトウェア対象にも関わらず上位にランクづけされてるのがこの3つのフリーソフトです。それぞれ定評あるウイルス対策ソフトとして知られ、海外製ながら日本人ユーザーがいます。日本最大級のオンラインソフトウェア情報サイト「Vector」のレビュー(avast!、AVG 有償版、Avira AntiVir)、ユーティリティ部門の週間ランキングはコチラ。あくまで個人的な印象ですが、3(+1)つの比較は下のような感じでしょうかネ。φ(_ _ )
ウイルス対策ソフトの個人的比較 | ||
ユーザー数 | 世界 | Avira > avast! > AVG > MSE |
日本 | avast! > AVG > Avira > MSE | |
ウイルス検出性能 | Avira > avast! > AVG > MSE | |
動作パフォーマンス | avast! > Avira > MSE > AVG | |
機能の豊富さ | avast! > AVG > Avira > MSE | |
初心者向き | MSE > avast! > AVG > Avira |
セキュリティソフトというのはプログラムの性質上、システムに深く入ってパソコンを護る必要があるため、マシンとの相性というのがでてきます。単純にどれが最適かは断言できません。また、動作パフォーマンス(軽い?重い?)なんかは、個々のパソコンのスペックや利用状況で人それぞれだと思います。
何といってもタダでダウンロードできるフリーソフトということで、導入や削除は自由です。実際に体感で動作チェックすることをおススメします。(ウイルス対策ソフトの動作確認をしたかったら、「EICAR」という無害な擬似ウイルスをゲットしてチェック!)
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◆ なぜフリーソフト(無料)?
ウイルス対策ソフトを個人向けにフリーソフトという形で無料提供してるのは、単純に利用ユーザーを増やすためです。普通はお金がかかる分野を無料で利用できるとなれば、それだけでセキュリティ会社の世界的な知名度が上がります。まずは無料版を導入してもらい、そのユーザーにサポートがあり機能制限のないフル装備のセキュリティソフトの有償製品版の宣伝を行うワケです。あと企業向けは有償なので、それも大きな収益源です。
というのも、市場シェア世界1位のセキュリティ会社「シマンテック」(Symantec)を筆頭に、セキュリティソフトの市場には世界で30〜40社(日本では10数社)を超えるたくさんの企業が参入してます。そんな中でフツーの商品の売り方では埋もれてしまう恐れがあるんですな。 (市場シェアの情報)
また、新種ウイルスの検体を集める目的も兼ねてます。インターネットは全世界が繋がっていて、ウイルスの活動に国境なぞありません。ちなみに、ほぼ毎日更新されるウイルス定義ファイルそのものは、有償製品版と無料版に違いはなく同じものが使われます。無料版と有償版の違いは対応機能だけです。(^^)v
◆ 無料ウイルス対策ソフトを提供する会社の簡単な紹介
3社とも正規のウイルス対策ソフトを提供してるセキュリティ会社(ベンダー)として「CCSS Forum」という業界グループにちゃんとリストアップされてます。各種第三者独立評価機関の比較テストにも参加してます。共通点は開発元が欧州、看板商品の名前が後に社名になってること。
AVAST Software 【アバスト・ソフトウェア】 チェコの首都プラハに拠点を置く会社。1991年創業。創業者はEduard Kucera(エドワード・クチェラ)さんとPavel Baudis(パベル・バウディス)さん。「avast」は海事用語で「止め、停止せよ」の意味で、「AntiVirus
Advanced SeT」に由来。旧社名「ALWIL Software」(アルウィル・ソフトウェア)。 |
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AVG Technologies 【エーブイジー・テクノロジーズ】 チェコのブルノに拠点を置く会社(現本社機能オランダ)。1991年創業。創業者はJan
Gritzbach(ジャン・グリッツバッハ)さんとTomas Hofer(トーマス・へーファー)さん。「AVG」は「Anti-Virus
Guard」に由来。旧社名「Grisoft」(グリソフト)。 |
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Avira 【アビラ】 ドイツのテトナングに拠点を置く会社。1986年創業。創業者はTjark
Auerbach(チャーク・アウエルバッハ)さん。旧社名「H+BEDV
Datentechnik」。スキャンエンジン名「Luke Filewalker」は、あのSF映画の登場人物をもじったモノ。 |
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これら3つの無料ウイルス対策ソフト(以外でも構わんですが)のついでに入れとくといいのが、日本語版もある無料のスパイウェア駆除ソフト「Spybot-S&D」です。このソフトはメイン機能であるスパイウェアのスキャンと駆除以外に、「免疫」(Immunize)という予防機能が用意されてます。これは既知のスパイウェアのいくつかの侵入を未然にブロックできます。
具体的にはWindowsのレジストリとブラウザ(インターネット閲覧ソフト)に用意されてる制限設定を変更してくれます。
この免疫機能は何か別の監視プログラムを常時動かすわけではなく、あくまで設定の変更でネット上の脅威に対する「防護層」をもう一つ増やせるものなので、常駐監視機能のあるウイルス対策ソフトとは衝突しません。定義リストは随時更新されるので、定期的に更新して免疫作業を行ってく必要あります。(Spybotには「TeaTimer」という常駐監視機能も用意されていて、こちらを有効にしてしまうと衝突する可能性あり)
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無料ウイルス対策ソフトは、総合セキュリティソフトにあるようないくつかの機能が用意されてません。またユーザーサポートがないので、何が起ころうが自分で対処しないといけないです。パソコン初心者さんや自分で解決できるスキルがないなら、市販されてるウイルス対策ソフト・総合セキュリティソフトの導入を考えてください。(→ Amazon.co.jp、ウイルス対策ソフト人気ランキング)
で、いきなり購入に走るのではなく、まずは体験版を入れることをオススメします。上でも触れてますが、ウイルス対策ソフトはパソコンを護るためシステムに深く入り込む関係で、マシンとの相性問題(他のプログラムとの競合、動作パフォーマンスへの影響など)が起こりうるので、一般的なセキュリティ会社は無料で使える体験版を用意して、あらかじめユーザーが動作確認できる体制を用意してます。(→ セキュリティソフト)
◆ 広告サイトにご注意を
ウイルス対策ソフトを紹介してるページをいろいろと見て回ると、異様なまでに1製品をプッシュしまくってるサイトをときどき見かけます。紹介と引き換えに金銭を獲得できるマーケティング活動(アフィリエイトなど)を行ってるためなのか、他社製品との比較も交えて特定製品の優位性を過剰なまでに展開してることが多いので惑わされないよう注意してください。その手のサイトは、基準がさっぱり不明な「★マーク」で”評価”してるところが多いように感じます。投入されるウイルスの数が多すぎて、もうセキュリティソフトの検出対応は間に合ってません。
ちなみに、このページで紹介してるウイルス対策ソフト「avast!」「AVG」「Avira
AntiVir」「MSE」の無料版は、どんだけプッシュしても紹介者にお金は入ってこないです。(^^;
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セキュリティソフト・ウイルス対策ソフトの導入だけで安心してはダメです。最近はたくさんの人が導入してる有名なソフトウェアの旧バージョンにある欠陥(脆弱性:ぜいじゃくせい)を悪用した攻撃が確認されてます。
たとえば、2009年以降に起こった「Gumblar・ガンブラー」(初期は「GENOウイルス」)改ざん騒動、マイクロアド広告コードの改ざん事件は、Microsoft系ソフト、Java(JRE)、Adobe系ソフトの旧バージョンにあった脆弱性を悪用することで、ネット上の改ざんされた普通の個人・企業サイトをブラウザで単に見ただけで、ウイルスが発動してしまうものです。詳しくは、無料ウイルス対策ソフトが対応してない機能の補完にある「ウイルス散布サイト」や「ドライブバイ・ダウンロード対策」のページを参照してください。
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