HSP製実行ファイルの XPビジュアルスタイル化


 Windows XP環境では新しいウィンドウデザインスタイルとして Luna(ルナ) が採用されています。ボタンの角部分が丸みを帯びていたり、半透明色といった雰囲気の表示だったりと、オブジェクトのデザインが従来のもの(クラシック)と変わりました。デフォルトのHSPでは、このスタイルを利用した表示はできません。そこで、一般的には、

・ 出力されたHSP製実行ファイルに対して、manifest(マニフェスト)ファイル を生成するツールを利用する。

・ XPビジュアルスタイル化が可能な HSP専用コンパイラ を別に用意して、HSP製実行ファイルを作成する。

 ということになりますが、実行ファイルとなるファイル(hsprtなど)に対して、あらかじめ manifestファイル のデータを埋め込んでおくと便利です。こうしておけば、別のソフトを利用する必要はありません。




1. 必要な ソフト

 このセット一式には以下のファイルが含まれれています。

xp.res ... XPビジュアルスタイル用のデータ
readme.html ... このHTMLファイル

 そして、別途 リソースエディタ を用意する必要があります。有名どころは 「eXeScope」(シェアウェア) や 「Resource Hacker」(フリーウェア) です。ここでは 「Resource Hacker」 の方を使います。

 ちなみに、この 「Resource Hacker」 はオーストラリアの方が作られた海外製ソフトです。しかし、Yoshiroh Maruoka氏 による 日本語翻訳版(Japanese) も掲載されているので、それを入手しましょう。


2. XPスタイル化

 HSP付属のスクリプトエディタで普通に作成される実行ファイルの場合を例に手順を説明します。

1. 「Resource Hacker」(ResHacker.exe) を起動します。
2. メニューの [ファイル]→[開く] を選択します。
3. 読み込みダイアログが開くので、[ファイルの種類] で 「すべてのファイル (*.*)」 を選択します。そして、HSP本体のフォルダに存在する hsprt ファイルを読み込みます。
4. メニューの [アクション]→[新たらしいリソースを追加する] を選択します。
5. [リソースを追加する...] ウィンドウが開くので、[リソースを含むファイルを開く] ボタンを押します。読み込みダイアログが開くので、このセット一式で同封している xp.res ファイルを読み込みます。
6. [新しいリソースの選択:] ボックスで、歯車の絵が付いた 「1041」 の項目を選択します。下部分の [リソースを追加する] ボタンが使用可能になるので押します。
7. メニューの [ファイル]→[名前を付けて保存する] を選択します。保存ダイアログが開くので、ファイル名をたとえば hsprt_xp.hrt として保存します。(バックアップの意味合いもあるので、上書き保存はしないように。)
8. 「Resource Hacker」 を終了します。

 これで必要なファイル hsprt_xp.hrt が出力されました。このファイルはHSP本体以下にあるフォルダ 「runtime」 に入れておいてください。

 で、実際に実行ファイルを作成するには、start.ax の作成と PACKFILE の編集、という一連の作業が終わった後に、HSPに付属している ランタイムマネージャー(hsperun.exe) で実行ファイルを作成することになります。このランタイムマネージャーの [使用するランタイム] で、この hsprt_xp.hrt ファイルを選択して実行ファイルを作成すればOKです。

 なお、拡張ランタイムを利用する実行ファイルの場合は、「Resource Hacker」 を使って 拡張ランタイム(*.hrt) に対して同じように xp.res ファイルを追加してやればOKです。


3. 注意点

(1) XPビジュアルスタイル化した場合に、input命令 や mesbox命令 に関して注意すべき点があります。HSPマニュアルの [プログラミングマニュアル1・言語仕様ガイド (hspprog.htm)] → [5.プログラミングの注意点] → [WindowsXPへの対応について] を参照してください。

(2) すでに出力されているHSP製実行ファイル自体に xp.res ファイルを追加する手段もあるのでは?、と考える方がいるかもしれませんが、これは不可能です。リソースエディタを使って xp.res ファイルを追加するまでは問題ありませんが、その後、HSPが持つ改変チェック機能により実行ファイルが起動できません。


4. 履歴

2005. 3. 27
-少々加筆
-誤記の修正

2005. 3. 5
-公開


5. クレジット

Resource Hacker Angus Johnson氏 が製作されたソフトです。
HSP(Hot Soup Processor) は ONION software が製作されたソフトです。

書いた人: Kpan
ホームページ: http://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/6130/